前回のコラムの続きです。
1位評価を「ひとつも」獲得できない、というケースは非常に稀なのですが、調査を実施した結果、1位評価を「いくつか」獲得できなかったというケースはあります。今回はその内容についてご説明します。
どのようなケースで1位評価を獲得できなかったかというと、
「調査対象製品群全体の仕様(価格設定や製造方法、販売方法、開発コンセプトなど)が、そもそも消費者に受け入れられなかった」
という場合です。
たとえば「価格×開発コンセプト」という切り口で調査を実施したとします。
お客様の製品が他社製品よりも優位であることはほぼ間違いないものの、その価格設定が消費者にとって極端に高かったり、開発コンセプトの説得力が薄いようだと、「あてはまるものはない(=評価に値する製品はこの中にはない)」という答えが最多を占めることになります。
他には、「仕様の内容にかかわらず、製品そのものを支持しない消費者が一定数いる場合」なども、「あてはまるものはない」が最多になりやすい傾向があります。
仮に「フォアグラを使った料理の定期お届けコース」で消費者評価ランキング1位の獲得を目指すとします。
回答者の中に「アヒルやガチョウの肝臓を肥大させる」というフォアグラの生産方法に批判的な考えを持つ人が多いと、そのような商品をそもそも利用したくないと思っている層が多数を占めるため、1位評価を獲得できない確率が高くなりがちです。